裁縫を始めたばかりの人は、何から始めればよいか迷うでしょう。必要な道具や何を学ぶべきかなど、わからないことも増える可能性があります。この記事では、裁縫初心者の方に向けて、そろえるべき裁縫道具や基本の縫い方を解説します。ボタンのつけ方やおすすめの手作りアイテムも解説するため、裁縫を始める際にぜひお役立てください。
裁縫初心者は何から始めればいい?
裁縫初心者は、道具をそろえることから始めましょう。針やはさみなど、裁縫の基本となる道具を用意してください。事前に基本の縫い方も覚えておくと、簡単なものを作れるのでおすすめです。
裁縫初心者は何からそろえる?基本の裁縫道具【14選】
裁縫の道具は種類が多いため、基本的なものからそろえましょう。ここでは、基本の裁縫道具を解説します。
【裁縫道具1】手縫い針(メリケン針)
手縫い針は、一般的な裁縫に使用する道具です。基本的な裁縫のボタンつけやスナップつけなど、手縫いをする際に使用します。洋裁の場合はメリケン針を使用し、和裁の場合は和針を使用します。針のサイズは、生地の種類や厚みで選びましょう。たとえば、メリケン針は1号〜12号まであり、小さい数字の方が長くて太い針となります。 一般的によく使われるサイズは6号から9号です。
【裁縫道具2】手縫い糸・しつけ糸
手縫い糸・しつけ糸は、手縫いをする際に使用するものです。糸は生地にあわせて、太さや質、色などを選びましょう。ただし、メーカーによって太さの記載方法が異なるため注意が必要です。普通地用・厚地用だけでなく、細口・太口などの種類があります。必要に応じて、しつけ糸も必要です。しつけ糸とは、仮縫いやしるし縫いをする際に使用する、よりの甘い綿糸です。
【裁縫道具3】まち針・仮止めクリップ
まち針は、仮止めする際に使用するものです。縫いずれを防ぐために、2枚の布を重ねて縫ったり、ボタンをつける位置を固定したりする際に使用します。仮止めクリップは、まち針の代わりとして使用する場合があります。針を使用せずに布の位置を固定できるため、小さい子どもがいるご家庭でも安心です。
【裁縫道具4】糸切りばさみ
糸切りばさみは、裁縫で使用する糸を切る用のはさみです。小さく手のひらにおさまるサイズのため、細かい裁縫の作業に最適です。糸切りばさみは、糸を切るだけでなく、小さな切り込みを入れる際にもおすすめです。
【裁縫道具5】裁ちばさみ
裁ちばさみは、布を切ることに特化したはさみです。布以外のものを切ると、切れ味が悪くなる原因となります。刃の状態が悪化して、布が切れなくなる可能性があるため避けましょう。
【裁縫道具6】リッパー
リッパーとは、縫い目をほどく際に使用する道具です。リッパー上部のU字部分に糸を引っかけると切れるため、裁縫の箇所を間違えたときなどに便利です。しつけ糸やボタンの糸を切る際も使用できます。
【裁縫道具7】定規・メジャー・マールサシ定規
定規やメジャーは採寸の際に必要な道具です。定規は平らなものを計る際に使用します。メジャーは、立体的なものを計るために適した道具です。たとえば、型紙の曲線や体の採寸などは、定規ではなくメジャーやマールサシ定規が必要となります。
【裁縫道具8】チャコペン、チャコペンシル、チャコ
チャコペンは、布に目印をつけるためのものです。たとえば、型紙を布にうつしたり、縫い代の印をつけたりするときなどに使用します。チャコペンは、書いた後に消せる点もメリットです。ブラシで払って消したり、水で濡らすことで消したりできます。チャコには、鉛筆タイプやペンタイプ、シャープペンシルタイプ、チョークタイプなどの種類があります。
【裁縫道具9】ピンクッション(針刺し)
ピンクッションとは、縫い針やまち針などを刺しておくものです。縫い針をおくときや、まち針を抜いたときなどに必要です。作業中に、針を一時的におくために使用します。ピンクッションは、簡単に手作りもできます。
【裁縫道具10】ひも通し
ひも通しは、ひもやゴムを引っ掛ける際に使用する道具です。たとえば、ズボンやパンツなどのゴムを通す作業に使用します。巾着袋の結び目にひもを通す際も、ひも通しを使用するとよいでしょう。
【裁縫道具11】重し(文鎮)
重しは、布を固定するためのものです。布に型紙を置き、位置がずれないように固定します。小型サイズの文鎮でも重みがあるので、小型・大型の洋裁用の型紙のどちらにも活用できます。
【裁縫道具12】ロータリーカッター
ロータリーカッターは、布を切るための道具です。本体を押して刃を転がすだけで、布をスムーズに裁断できます。薄手の布や裏地がすべりやすい布の場合、より切りやすくなるため便利です。
【裁縫道具13】目打ち
目打ちは、さまざまな用途で使用する道具です。たとえば、縫い目をほどいたり、生地の角を整えたりする際に使用します。穴を広げたり、ビーズをはじめとした細かいものを仕分けたりする際にも便利です。
【裁縫道具14】アイロン
アイロンは、縫い上がりの質を高めるために必要です。布を切る前後や、途中で仕上がりをよくする際に、アイロンを使って整えます。縫い代を割ったり、布端を折ったりする際にも活用できます。
裁縫初心者が押さえておきたい基本の縫い方
裁縫初心者は、縫い方のポイントを押さえることから始めましょう。ここでは、基本の縫い方を解説します。
【基本の縫い方1】玉結び
玉結びとは、縫い始めに作る結び目のことです。糸が抜けないように、最初に端を結んでおきます。玉結びの手順は、以下のとおりです。
- 針に糸を通して、人差し指に1周巻きつける
- 親指で糸を押さえて、糸をねじりながら人差し指を抜く
- ねじってできたコブをもち、糸を引くと玉ができる
【基本の縫い方2】玉止め
玉止めとは、糸が抜けないように作る結び目のことです。縫い終わりに止まるように、布のきわをはじめとした箇所に玉をつくります。玉止めの手順は、以下のとおりです。
- 縫い終わりの箇所に針を当てて、糸を2~3回巻きつける
- 糸を巻いてできた結び玉を指で押さえる
- 針を抜いて糸をひき、しっかりと固定する
【基本の縫い方3】なみ縫い
なみ縫いとは、布の表裏を同じ間隔で縫う基本的な方法です。仮縫いや布と布を縫い合わせるときに使用します。なみ縫いの手順は、以下のとおりです。
- 針を表から刺して、裏からもどす
- 糸を引いた後、同じ間隔になるように裏にもどして表に出す
- 等間隔で裏と表に針を出すことを繰り返す
【基本の縫い方4】半返し縫い
半返し縫いとは、ひと針縫うごとに半針分をもどして縫う方法です。縫い始めや縫い終わりの際に糸がほつれるのを防ぎ、縫い目の補強もできます。半返し縫いとなみ縫いは似ていますが、強度が高い点で異なります。半返し縫いの手順は、以下のとおりです。
- 針を表から刺した後に、裏から表にもどす
- 縫った半分のところに針を刺し、裏から表にもどす
- 上記の手順を繰り返すと、裏側がつながった線になる
【基本の縫い方5】本返し縫い
本返し縫いとは、返し縫いをして縫う方法です。ひと針縫うたびにひと針分もどるため、裁縫の強度を補強するために便利です。本返し縫いは、半返し縫いよりも丈夫に仕上がるため、ほつれの防止や縫い目を補強する目的で使用します。本返し縫いの手順は、以下のとおりです。
- 針を表から刺し、裏から表にもどす
- 玉結びの位置にもどり、もう1度縫う
- 裏から表に出すことを繰り返す
【基本の縫い方6】まつり縫い(斜めまつり)
まつり縫いとは、表から縫い目が見えない縫い方です。洋服の袖や裾の折り代を始末する際に使います。まつり縫いの種類は、斜めまつりや縦まつり、奥まつりなどです。ここでは、基本となる斜めまつりの手順を解説します。
- 玉結びが裏にくるように、縫い代の裏から針を出す
- 表布を少しだけすくい、縫い代の裏から針を入れる
- 表布をすくって裏から針を出すことを繰り返す
【裁縫初心者向け】2つ穴・4つ穴ボタンのつけ方
裁縫初心者は、2つ穴・4つ穴ボタンのつけ方を覚えましょう。ここでは、それぞれのつけ方を解説します。
2つ穴ボタン
2つ穴ボタンのつけ方は、以下のとおりです。
- 糸は2本取りで玉結びをし、ボタンに通して固定する
- ボタンをつける位置に目印をつけて布をすくう
- ボタンに針を通し、布との間3mmほど浮かせて2〜3回縫いつける
- 布とボタンの隙間に、糸を3~4周巻きつける
- 糸足に針を通して、玉止めを中に隠す
4つ穴ボタン
4つ穴ボタンのつけかたは、以下のとおりです。
- 糸は2本取りで玉結びをし、ボタンに糸を通す
- 2本取り糸の輪の中に針を通し、ボタンと糸を固定する
- ボタンをつける位置に目印をつけて、布をすくう
- 布とボタンの間を3mmほどあけて、2~3回ボタンに針を通す
- 3mmほどの隙間に、3~4周糸を巻きつけて糸足に針を刺し通す
- 玉止めを中に隠す
裁縫初心者は何から作る?おすすめ手作りアイテム
裁縫の初心者は、簡単に作れるものから始めましょう。ここでは、おすすめの手作りアイテムを解説します。
コースター
コースターは、コップやグラスなどの下に敷くものです。直線縫いのみで、初心者でも簡単に作れます。余った布で作れるため、違う布を組み合わせて、リバーシブルの模様にするのもおすすめです。
巾着袋
巾着袋も、初心者が手縫いで簡単に作れるためおすすめです。返し縫いで作ることによって、ほつれにくく丈夫なものになります。余った布や手拭いなどで作った場合でも、洗濯してもほつれにくいものができます。
ベビースタイ/子ども服
ベビースタイとは、よだれかけのことです。サイズが小さく、シンプルな作りが特徴です。型紙を使った丸型やバンダナ型など、さまざまな種類があります。ベビースタイは何枚あっても困らないため、多く作っても問題ありません。裁縫に慣れたら、子ども服やズボンなどにも挑戦しましょう。手縫いは時間がかかりますが、型紙1枚で作れるので服づくりに最適です。
まとめ
裁縫の初心者は、裁縫の道具をそろえましょう。針やはさみなど、裁縫に必要な道具を用意して特徴を知ることが大事です。その後に2つ穴ボタンや4つ穴ボタンなど、手縫いでボタンを縫う方法を学ぶとよいでしょう。縫いの基本が身につけば、コースターや巾着袋などの簡単なものが作れます。
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