裁縫のボタンには多くの種類があり、生地の素材や厚み、使うシーンなどによって選び方が異なります。ボタンによって付け方の違いもあるため、最適なものを選んで裁縫をすることが必要です。
この記事では、裁縫のボタンの種類や付け方、選ぶポイントなどを解説します。ぜひ参考にしてください。
裁縫のボタンの種類
裁縫のボタンには、2つ穴や4つ穴、足つきボタンなどがあります。ここでは、ボタンの種類を解説します。
2つ穴ボタン
2つ穴ボタンは、糸を通すための2つの穴があいているものです。生地とボタンの固定箇所が少ないため、留め外しが簡単にできる点が特徴です。主にシャツやブラウスなどに使われており、厚手のコートにも使える汎用性があります。ボタンの素材はプラスチックや貝、金属など、さまざまなものがあります。
4つ穴ボタン
4つ穴ボタンは、糸を通すための穴が4つあるものです。2つ穴ボタンより生地とボタンの固定箇所が多く、安定感がある点が特徴です。主にジャケットやスーツ、コートなどに使われており、厚めの生地に適しています。ボタンの素材はプラスチックや木、貝などがあります。
足つきボタン
足つきボタンは、ボタンの裏に糸を通すためのループがついているものです。ループを「足」と呼んでおり、生地に糸を通して縫い付けます。穴が1つであるため、生地とボタンに余裕を持たせる必要がなく、ブレザーやカーディガンなどの衣類に使われています。ボタンの素材には、金属や木といったものがあります。
くるみボタン
くるみボタンとは、足つきボタンの1つで、表面を生地や革などでくるんだものです。主に婦人服やハンドメイドなどにも使われており、バッグやポーチ、アクセサリーにも最適です。ボタンがデザインと一体化することから、おしゃれな雰囲気に仕上がります。素材には、綿・金属・木といったものがあります。
力(ちから)ボタン
力ボタンとは、ボタン裏に付けて力を分散できるものです。サイズは小さめですが、生地の裏側に付けることで補強ができます。主にコートやジャケットなどのボタン裏側に付けると、表のボタンの緩みや生地の痛みを防ぐことが可能です。素材には、貝ボタンや水牛ボタンなど、天然素材のものが多くあります。
スナップボタン
スナップボタンとは、指で押し付けて留めるタイプのもので、ボタンホールを開けずに指で押し付けて留めます。ここでは、2種類のスナップボタンの特徴について解説します。
手付けタイプ
手付けタイプのスナップボタンは、糸で縫い付けるものです。凹凸がある2種類のパーツでできており、弱い力でも簡単に止められます。主にレディースのアウターや小物などの製品、赤ちゃんの肌着などに多く使われています。ボタンを縫い付ける手間がありますが、生地の表に出ない点が特徴です。
カシメタイプ
カシメタイプは、生地に打ち付けるものです。爪を食い込ませて打ち付けるため、手付けタイプより強度が高い点が特徴です。専用の工具を使い、生地に打ち付ける作業(カシメ)を行います。別名「ドットボタン」と呼ばれており、薄い生地の衣類や布バッグ、布団カバーなどに多く使われています。
裁縫ボタンを付ける際に必要な道具・材料
裁縫ボタンを付ける際に必要な材料は、以下のとおりです。
- ボタン
- 生地もしくは服
- 手縫い糸
- まち針
- はさみ
- ゆびぬき
- 消えるペン
上記の道具があれば、すぐに裁縫ボタンを付けられます。本格的な道具は必要なく、持ち運べるタイプのソーイングセットでも裁縫ができます。また、針や糸、ボタンは、それぞれの色やサイズなどを考慮して選ぶとよいでしょう。ボタンの位置に正確な印を付けるため、消えるペンも用意しておくことをおすすめします。
裁縫ボタンの付け方
裁縫ボタンは、順番通りに付けることが大事です。ここでは、裁縫ボタンの付け方を解説します。
2つ穴ボタンの付け方
- 糸を2本取りにして、玉結びをします。ボタン付け糸を使って、ボタンを外れにくくするのもおすすめです。
- ボタンを付ける箇所に印を付けます。表から針を通して、少しずらしながら針を通します。
- 針を生地の裏から表に出し、ボタンの穴に裏側から糸を通します。
- もうひとつの穴に、ボタンの表側から出して糸を通します。
- 3と4の工程を4回ほど繰り返してください。
- その後に、生地とボタンの間に針を出します。
- 3回ほど糸を巻き付けて、生地とボタンの間に糸がまとまるように固定します。
- ボタンと生地の間の根元から裏側に針を通し、最後に玉留めをします。
4つ穴ボタンの付け方
- ボタンに糸を通して、2本取りで玉結びを作ります。
- ボタンの裏から表に針を通します。
- ボタンを付ける位置に印を付けておき、布を針ですくいます。
- ボタンと布の間を3mmほど開けておき、針を通します。
- 印を付けた布をすくい、縫い付けます。
- 布をすくって、ボタンに針を通す作業を2〜3回ほど繰り返します。
- 2穴を通したあとは、もう2穴も同じ作業を繰り返してください。
- 先ほどつくった3mmほどの隙間に、糸を3〜4周巻き付けます。
- 糸を巻き付けた後は、ほどけないように針を刺し通してください。
- 玉留めが終わった後に針を糸足に通して、中に隠します。
足つきボタン・くるみボタンの付け方
- 針に糸を通して、2本取りで玉結びをします。ボタン付けの専用の糸を使用してもよいでしょう。
- ボタン付け位置の真ん中を一針すくって、表から針を通します。布の裏から3回ほど糸を通します。針で布をすくう際は、シワを防止するために1〜2mmほどにします。
- 布の裏から針を出し、糸のきわを出した後、ボタンの回りに輪をつくります。
- 輪に糸を通して引き締めた後、糸のきわで1針すくってください。
- 糸の根元から離れないように玉留めをつくりましょう。根元から離れると、ボタンが取れやすくなるので注意してください。
- 最後に玉留めの近くに針を入れて、糸端を始末しましょう。布の下に隠れた後に、糸を切ってください。
スナップボタンの付け方
- 最初に凸ボタンを付けます。印を付けた箇所で針に糸を通して、玉結びをつくりましょう。ボタンの真ん中と外に印を付けると、位置がわかりやすくなります。
- 表から針を通して、外側から糸を出してください。まち針でボタンが動かないように留めておきましょう。
- 外側から針を入れて、穴の中に出します。
- 糸を引く前に輪をそのままにしておき、その中に針をくぐらせて糸を引きましょう。
- 輪に糸をくぐらせる作業を3〜5回ほど繰り返します。
- 次の穴に移動して、同じ作業を繰り返します。
- 全ての穴を縫った後は、裏から糸を通して針を出して玉留めをします。
- 凸ボタンを布に押し付けて、凹ボタンの位置を決めます。
- 先ほどの手順通り、凹ボタンを付けて完成です。
裁縫ボタンを選ぶ際のポイント
裁縫ボタンを選ぶ際は、生地の厚さによってボタンの厚みも変えることが大事です。薄手の生地には薄めのボタンを使うと、生地がたるむのを防げます。また、厚手の生地には厚めのボタンを使うと、安っぽい印象を与えません。
ボタンの色を決める際は、洋服より濃い目を選びます。同系の色で濃淡をつけると、統一感を演出できるのでおすすめです。ビジネスやカジュアルなどのシーンを想定して、アイテムとの合わせ方や魅せ方を意識することが大切です。
まとめ
ボタンにはさまざまな種類があり、生地の厚みや素材の種類などを考慮して裁縫をする必要があります。服やアイテムによって付け方も異なるため、裁縫する際に最適なものを選びましょう。また、カジュアルなものやビジネス向きのものなど、使うシーンも想定することも大事です。
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日暮里繊維街の公式HPでも、生地の表裏の見分け方が画像と動画にて詳しく紹介されています
日暮里繊維街【ミシン初心者向け】困ったときの生地の表裏の見分け方
