ツイル生地はジャケットやパンツ、スカートなどに使われる人気の生地です。綿やウール、絹などの素材でつくられ、シワになりにくい点が特徴です。代表的なものはデニムで、生活に欠かせない織物の1つといえるでしょう。この記事では、ツイル生地の特徴や種類について解説します。ぜひ参考にしてください。
ツイル生地とは
ツイルとは、生地の種類ではなく織り方の1つです。「綾織り」の別名であり、斜めの畝(うね)状に見える特徴があります。一般的に、ツイルとは綾織りのことで、3本の緯糸を交差させる「四つ綾」を指します。日本でよく見かけるものは、主に綿素材でつくられており、少し厚手のものが多い傾向にあります。
ツイル生地の素材とは
以下、ツイル生地の素材の例です。
- ・綿
- ・ウール
- ・ポリエステル
- ・ナイロン
- ・キュプラ
上記のように、さまざまな素材でつくられています。合成繊維では、シワになりにくいポリエステルツイルが人気を集めています。普段使いをする際は、天然繊維の代表的なコットンツイルがおすすめです。ポリエステルツイルは、静電気が発生しやすく、汚れやニオイなどが付着します。
ツイル生地の特徴とは
特徴としては、滑らかな肌触りと独特の光沢感があります。平織りと比較すると、糸が浮いていますが、風を通しにくく保温性がある点も特徴です。また、アイロンがけができるほど耐久性があり、ジーンズをはじめとした衣類は長持ちする傾向にあります。ポリエステル製ツイルは薄手で柔らかく、シワになりにくいため、フォーマルな洋服にも使われます。
ツイルの種類とは
ツイルには、チノやウェポンなど、さまざまな種類があります。ここでは、代表的な種類を解説します。
チノ
チノは、綿の糸でつくられたものです。本来は軍洋服として使われており、生地の丈夫さが特徴です。チノは汎用性も高いものですが、規格がさまざまにあるため、一概に定義することが難しい特徴があります。
ウェポン
ウェポンは、30〜40番手の双糸を3/1の綾織りで織ったものです。チノと同じく軍服に使用されていたことです。分厚い生地感が特徴なため、耐久性や防寒性などに優れています。生地に強度もあるため、ワーキングウェアやメンズパンツに使われます。
デニム
デニムは、藍染めした綿糸を使用したものです。3/1綾織りで織られたものを使用しています。インディゴで染められており、色落ちすると白くなる点が特徴です。デニムはジーンズの定番素材で、紺やブルーのインディゴ染めが使用されます。
カツラギ
カツラギは、極太の糸を使ったものです。10〜20番手の3/1綾織りで、デニムと同程度の生地感が特徴です。糸が太く、肉厚で丈夫ですが、柔らかくて使いやすさがあります。半纏やユニフォーム、ハンドメイド向けの生地として人気です。
ツイル生地のメリット
ツイル生地は、肌触りや伸縮性などの特徴があります。ここでは、メリットを解説します。
肌触りが柔らかい
しなやかな肌触りで、素材が柔らかい点がメリットです。平織りと比べて生地そのものに違いがあり、素材や糸などが同じでも、より柔らかさを感じられます。生地の厚さを調整できるため、分厚い生地でも柔らかさが保たれ、ジャケットやアウターでも着心地がよくなります。
ツイルはほどよいハリと柔らかさがあり、平織りよりも肌当たりが優しく感じられる点も特徴です。ガーゼとは異なり、適度な柔らかさとしっかり感を兼ね備えており、快適な着心地を感じられるでしょう。
伸縮性がある
ツイル生地は、少しルーズな織りが特徴です。複数のタテ糸にヨコ糸で織られており、伸縮性があります。ポリウレタンをはじめとした素材が入っていなくても、強度を保ちつつ快適な着心地を維持できます。
厚めのものでも、ジーンズやチノパンのように体に馴染む点もメリットです。ただし、綿100%のものでは、伸縮性が不十分です。ニットやポリエステル混の生地に比べると、伸縮性が劣る傾向にあります。
光沢感がある
生地に適度な光沢感があり、カジュアルから上品なアイテムまで幅広く使用が可能です。糸の交差点が少なく、糸の種類と織りの組織によって独特の光沢が生まれます。光沢感は、タテ糸が多く浮いているほど強くなります。
ツイルは種類が同じでも、光沢感が異なるものです。たとえば、シルクやナイロンなどの素材を加えることで、より上品な艶感が増します。光沢感はカジュアルにもフォーマルにも対応しており、ジャケットやドレスにもおすすめです。
シワになりにくい
ツイル生地は、シワになりにくい点が特徴です。平織りに比べて、糸と糸の間に余裕があり、シワを防げるためです。糸の細さや密度を高めることで、よりシワになりにくくなり、しなやかで滑らかな風合いとなります。
ポリエステルツイルはシワになりにくく、衣装用生地として重宝されているものです。耐久性もあり、ジャケットやドレスなどフォーマルな衣服にも適しています。長く着用できる扱いやすい生地といえるでしょう。
ツイル生地のデメリット
デメリットは、摩擦に弱い生地の強度です。糸が交差する点が少ないため、デニムのようなものは膝部分が破れやすくなります。織物としての強度に比べると若干劣るため、用途に応じて生地を選ぶことが必要です。
ツイルは日常的に着る衣類やバッグに適しています。ただし、キャンバス生地(帆布)より強度が劣る点に注意しましょう。生地の強度を重視する場合、ナイロン糸のツイルやキャンバス生地がおすすめです。
ツイル生地の取り扱い方
ツイル生地は、表裏の判断や洗濯の方法などに注意が必要です。ここでは、取り扱い方を解説します。
生地の表裏の判断方法
生地の裏表は、斜線の向きで判断できます。一般的に、表は左上がりの斜線で、表面に光沢があるため線がはっきりと見えるでしょう。緯糸が斜めに出る「畝(うね)」模様が、表面に現れています。裏の斜線は、表とは逆に右上がりになっています。ただし、糸の細さや同色の経緯糸の場合、表裏の判断が難しくなる点に注意しましょう。
洗濯の方法
ツイル生地は、洗濯機で洗えます。洗濯機を使用する際は、洗濯ネットを使用します。ただし、一般的な洗剤に漂白剤や柔軟剤が入っている場合は、使用を避けてください。手洗いの場合は、ぬるま湯で押し洗いをして汚れを落としましょう。乾燥後は完全に乾かして収納し、湿気の多い場所を避けることが大事です。洗濯後は形を整えて陰干しをし、120℃以下のアイロンをかけます。
ツイル生地はインテリア雑貨や刺繍にも使用できる
ツイル生地は、インテリア雑貨の使用に適しています。たとえば、カーテンに使用すると適度な遮光性がうまれるため、ドレープカーテンにおすすめです。また、クッションカバーやテーブルクロスなどでもよいでしょう。ツイル生地は針が刺しやすいため、刺繍やワッペンのベース生地としても使用できます。
ツイル生地の手入れ方法
先述したとおり、ツイル生地は洗濯機の使用や手洗いが可能です。漂白剤や熱湯を避けて、ぬるま湯で中性洗剤による手入れをしましょう。素材によって扱い方が異なるので、事前に品質表示の確認が必要です。保管する際は、直射日光や湿気を避け、乾燥した場所を選んでください。生地の美しさと耐久性を維持するには、定期的な洗濯やアイロンがけ、適切な保管などを意識しましょう。
まとめ
ツイル生地は、織り目が斜めになっている織り方の1つです。綿やウールなどを使用しており、伸縮性や光沢感がうまれ、シワになりにくい点が特徴です。アイロンがけができる耐久性もあるため、幅広い用途で活用できるでしょう。ただし、摩擦に弱いため、用途に応じて生地を選ぶことが大事です。
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