サッカーという生地は、日本では「しじら織り」として知られており、明治時代には着物の素材として広く使われました。その後、一般市民にも普及しました。この記事では「サッカー生地」に焦点を当て、その特徴や衣類への適用例について詳しく解説します。さらに、生地の取り扱い上の注意点や効果的なお手入れ方法についても述べるので、参考にしてください。サッカー生地の歴史と用途について掘り下げてみましょう。
サッカー生地とは?
サッカー生地は、収縮率が異なるタテ糸を組み合わせて平織りした生地です。この生地は日本では「しじら織り」とも呼ばれ、しじらとは「縞状のシボ」を意味します。仕上げにおいて縮ませることで、波状の凹凸を生み出しており、素材としては主に綿が使用されています。
この生地は無地のほか、チェックやストライプ柄もあります。明治時代には着物の素材として使われたことが始まりであり、その歴史は古いです。現代では、特に夏に向けたウェアやパジャマとして広く愛されています。
サッカー生地の5つの特徴
サッカー生地には、他の生地とは異なる5つの特徴があります。シワになりにくいことや通気性が良いこと、放湿性に優れていることなど、お手入れをする上で嬉しい特徴が多数あるため、ここで解説します。
シワになりにくい
生地にもともとシワのような「しぼ」があるため、シワになりにくく目立ちにくいという特徴があります。生地自体に伸縮性があることも、シワになりにくい理由です。アイロンがけも不要なため、お手入れに手間がかからず、イージーケアな素材とされています。逆にアイロンをかけてしまうと、せっかくのシワが潰れてしまいます。
通気性がよい
サッカー用の生地は、その凹凸のある構造から通気性に優れています。このため、素肌と生地の間に空気が循環しやすく、夏場でも涼しく快適に着用できます。また、素肌に接する面積が少ないため、汗をかいても生地が密着しにくく、サラサラとした着心地が持続します。
放湿性に優れている
放湿性に優れている点も、サッカーの魅力です。通気性に優れていることとも関連しますが、熱だけでなく湿気を外に放出してくれるため、夏に適しています。とくに絹を使ったサッカー生地は、綿製のものよりも吸湿性・放湿性に優れています。
軽量
サッカー生地は薄手でありながら、シワがあることで生地自体にボリューム感があります。そのため、ボトムやジャケットの生地としてだけでなく、様々な用途に使える特性を持っています。また、通気性に優れているため、肌に触れる面積が少ない利点もあります。この生地は着用時にボリューム感を演出しつつも、軽やかで重さを感じさせません。
ボリューム感がある
波状のシワがある分、ボリューム感(肉感)があります。生地に触れてみると分かりますが、見た目以上に厚みがあってしっかりした生地です。ただし分厚いわけではなく、軽やかさとのバランスがとれています。
サッカー生地とリップルの違い
サッカーと似た生地に「リップル」というものがあります。その質感や用途、通気性の良さなど、魅力が似ている点が特徴的です。サッカーは糸そのものの収縮率を活かして凹凸を作る生地であるのに対し、リップルは通常の織物にアルカリ性溶液を使って凹凸を出す加工技術を指します。
サッカーが生地そのものを意味するのに対し、リップルは「リップル加工」として知られ、凹凸の自由度が高く、そのデザイン性に優れています。このように、両者は異なる製造プロセスを持ちながらも、似た特性を持つテキスタイルのひとつです。
サッカー生地のデメリット
サッカー生地のデメリットとしては、以下の2点が挙げられます。
- ・スタイリッシュな着こなしにはやや不向き
- ・色落ちしやすい
サッカー生地はボリューム感が魅力の生地なので、スタイリッシュなファッションには適していません。季節感を誤るとやや野暮ったいイメージになってしまいます。また、色落ちしやすいこともデメリットです。他の洗濯物に色移りするため、洗濯する際も白物とは別洗いしなければなりません。
サッカー生地で作ることができる衣類
サッカー生地で作ることができる衣類は、多岐にわたり、パジャマやスカート、浴衣などさまざまな衣類に活用できます。それぞれの特徴を解説します。
パジャマ
サッカー生地を活かした衣類として、まず挙げられるのが「パジャマ」です。通気性のよい生地なので、夏場のパジャマに最適です。大人だけでなく、代謝のよい子どものパジャマにもおすすめです。親子でおそろいのパジャマを楽しめます。
スカート・ワンピース
サッカー生地のボリューム感を活かすために、スカートやワンピースがおすすめです。裾に向けてふわふわとしたボリューム感があり、シルエットに動きが出るため、可愛らしさが増します。涼しくて肌触りがよいため、夏場のスカート・ワンピースに最適です。
浴衣・甚平
サッカー生地は、かつては浴衣や甚平の製造に用いられていた素材です。その特性から、特に子ども向けの浴衣や甚平に最適です。軽量で動きやすい生地なので、活発な子どもたちもストレスなく着用でき、飛び跳ねたり走ったりする遊びが楽しめます。
帽子
サッカー生地は通気性が良く、特に子ども用の帽子に最適です。頭皮が蒸れず、洗濯しても形を保ちます。さらに、洗濯後にはアイロンをかける必要がないため、お手入れの手間が省けるためお母さんにも嬉しい素材です。女の子であればチューリップハット、男の子の場合はバケットハットがおすすめです。
サッカー生地を使った服作りのポイント
サッカー生地を使った服作りのポイントは、パーツに芯を貼ることです。また、しぼが潰れてしまった際の対処方法も解説します。
パーツに芯を貼る
衿や見返しといった衣服の重要なパーツには、十分な芯を貼ることが肝心です。特にサッカー素材の服では生地が薄く、これらのパーツをしっかりと仕立てないと、全体がペラペラとした安っぽい印象を与えてしまいます。そのため、1着の服においては、しっかりと構造が支えられた部分と柔らかな部分とのバランスを考慮することが重要です。
「しぼ」を復活させる方法
洋服を作る際には、アイロンがけが非常に重要です。ただし、特にサッカー生地の場合は注意が必要です。この生地はアイロンの熱に敏感であり、熱によって生地の「しぼ」が潰れてしまうことがあります。しかし、一度潰れてしまった場合でも、アイロンの蒸気を使うことで生地の立体感を回復させることができます。このように、適切なアイロンの使い方が洋服作りには欠かせない要素となります。
サッカー生地のお手入れ方法
サッカー生地は一般に綿100%で作られており、そのため水洗いが可能です。ただし、洗濯の際は通常の洗濯モードではなく、おしゃれ着用のような優しい洗濯モードを選ぶことが推奨されます。さらに、サッカー生地は変形しやすい傾向があるため、洗濯時には洗濯ネットの使用が有益です。
製品に使用されている素材や形状によって、取り扱い方法が異なりますので、洗濯する前に必ず洗濯表示を確認するようにしましょう。合成繊維が混紡されている場合は、ドライクリーニングが推奨されることがあります。
まとめ
サッカー生地は、その通気性によって湿気を素早く逃がし、シワになりにくい特性があります。これに加え、軽量でありながらもボリューム感を持つという特徴が、衣類において非常に有用であることが挙げられます。
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